愛ある被覆線物語 -持続可能な世界をめざして-  第二回

商品紹介

序章 被覆線の始まり 

私たちが生活する上で欠かせないプラスチックの誕生は、1835年にフランスでポリ塩化ビニルの粉末を発見したのが始まりといわれています。粉末の発見から100年後の1926年にアメリカで塩化ビニル樹脂が工業化され、日本では、戦後の1941年に普及が始まりました。塩化ビニル樹脂は、現在使用される汎用樹脂の中でも加工性、耐久性に優れ、燃えにくい自己消火性をもち、水道管や農業用資材、自動車部品、食品包装など幅広い分野で用いられる万能な樹脂です。

 1950年代になると、鉄線を心線に塩化ビニルを被覆したカラーワイヤの製造がはじまり、土木資材や文具、台所用品の笊(ざる)などで使われるようになります。やがて、カラーワイヤが、普及すると複数の会社での生産が始まり、製品規格をまとめる必要が出てきます。それに伴い、1983年にJIS(日本工業規格。現、日本産業規格)に塩化ビニル被覆鉄線の規格が認定されました。被覆鉄線は、こうして始まったのです。 しかし、長年使用され安定した商品であっても、歴史の中で様々な社会問題や課題に直面することがあります。塩化ビニル樹脂も例外ではありませんでした。1950年代に製造が開始されてから約40年となる1990年代に大きな転換点となる2つの大きな波がやって来るのです。(つづく)

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